今日は、エイプリルフールですね。
ところでこの習慣はどこから来たんだろう?と思い、調べてみました。
はっきりとした起源は判っていなく、様々な説があるようです。
* 元日 変更説
古代ローマ人や古代ヒンドゥー教徒は、新年始まりの日「元日」をヒラーリア祭(大地の再生を祝う春分の祭)を行う3月25日に近い4月1日または4月1日前後に祝っていました。
紀元前45年、ユリウス・カエサルにより
ユリウス暦が制定されます。
このユリウス暦は地球が太陽の周りを回る周期を基に作られた太陽暦で、1月1日を年の始まりとし、1年を365日、4年ごとに閏年を置くという非常に正確なものでした。
にも係わらず、時が経っても元日は1月1日ではありませんでした。
キリスト教が蔓延していた中世ヨーロッパでは宗教的に重要な日と関係を持たせる為に、「受胎告知の祝祭」である3月25日を元日とし、聖なる週が終わる4月1日に新年のお祝いをしていたり、イースター(キリスト復活祭)の日を新年の始まりとして祝っていたりしていたようです。イースターはその年によって日付けが変わる移動祝祭日の為、毎年 元日も変わっていました。
このように地域や年によって新年の始まりが違う1500年代頃のヨーロッパの暦制度は、非常に混乱したものでした。
1563年、フランスのシャルル9世がユリウス暦にならい、元旦を1月1日と定めます。この布告は、1564年12月22日にフランス国会の議決を経ています。
しかし、正確に近かったユリウス暦にも、誤差がありました。
1年ごとに11分15秒の差が生じ、暦上の春分日と実際の春分日とのずれが顕著になり、復活祭の日付が合わなった為に改良が必要となります。
これにより1582年、ローマ教皇グレゴリウス13世がユリウス暦を改良し、
グレゴリオ暦を制定。
ローマ教皇は政治的パワーは持っていはいませんが、当時主要をなしていたキリスト教徒達に大きな影響を与える事ができます。その為にこの年、「1月1日を元旦とする」という歴史上の変更がなされたわけです。
しかしながら すぐに国民が適応できるわけもなく、4月1日に新年を祝う人々が耐えなかったようです。
古代ローマでは新年にプレゼント交換する習慣があり、そんな旧暦に祝う人達をからかう意味で偽りの用件を送ったりしたことが、エイプリルフールの始まりといわれています。
* この説が一番知られていますが、イギリスにグレゴリオ暦が導入されたのが1752年であり、それ以前にエイプリルフールの習慣がイギリスにもあったという理由から、この説を否定する学者もいるそうです。
* 春祭り説
伝説や物語を信じない歴史家たちの中では、この春祭り説が有力のようです。
大概どこの文化でも、自然界の復活・再生となる春の祭りがあります。
これらのお祭りでは、ジョークや悪気のないいたずらを行ったり、変装したり、または死の世界の冬から生まれ変わりの春へと季節が逆になることを反映し、社会的地位を逆にしたりもされていました。
例えば、使用人が主人に命令を下したり、教会の儀式のパロディとして色のついた粉を投げたり、水を人にかけたりと文化により様々です。
この多くの文化に共通する事が、現代のエイプリルフールの起源になったと考えられています。
* フランス魚説
もう一つ、フランスの説です。
フランスでは4月上旬に、孵化したばかりの魚が豊富にいるそうです。
釣竿をおろせば直ぐにつかまってしまうこれらの魚を、「4月の魚(Poisson d'Avril)」と呼んだそうです。簡単に獲られてしまう愚かな「4月の魚」の大漁を祝うのと一緒に、4月1日に人をかつぐ事が習慣化したという説です。
実際にフランスでは今でもエイプリルフールの事をPoisson d'Avril と読んでおり、魚の形をしたチョコレートを贈り合う習慣があるんだとか。
* イギリス昔話説
イギリスの昔話では、エイプリルフールとの関係を思わせるものがあるそうです。
これは 「ゴサム(Gotham)」という、住民が皆バカであったと伝えられている村での出来事です。
この物語によると、13世紀には「王様が踏んだ土地は、全て国のものになる」という慣わしがあったそう。
ある日、このゴサム村の住人は王様が旅の途中で村を通過するという話を聞き、道を国に取られてしまわないように、どうにか王様が村に入ってこないようにしようと考えます。
これを耳にした王様は、村に兵隊を送りました。
しかし兵隊たちがゴサム村に到着すると、魚を溺れさせたり、屋根のないかごに鳥を入れようとしたりと、非常にばかげた事としか言い様がない光景を目にします。彼らのこの愚かな行動は全て演技だったのですが、みごと騙されてしまった王様は、刑罰にも値しないほどの馬鹿な住人達だと言ったそうです。
それ以来、エイプリルフールの日には、彼らのいたずらを祝う日になったそうです。
* ドイツ議会説
1530年4月1日。この日は、アウクスブルクで政治家たちによる財政に関する会議が行われる予定でした。
しかし時間の関係で、会議は行われませんでした。
多くの投機家達は、会議が行われると見込んで賭けていた為に、お金を失い、笑いものにされる結果に。
これが、エイプリルフールの起源だとも言われているそうです。
* ノアの方舟説
初期のキリスト教徒は、旧約聖書に登場するノアの方船(はこぶね)に基づいているとも伝えています。
ノアは洪水がおさまったかどうかを知る為に、鳩(初めは鴉とも言われています)を放ちます。しかし鳩はとまる所がなく帰ってきました。これが4月1日と言われています。
これにより、4月1日は無駄な日で、嘘をついても良い事になったそうです。
これらの他に、アジアを起源とする説もあるらしいです。
沢山の説があり、本当のところは分かっていませんが、世界中で4月1日にデマカシのニュースが流れているのは面白い事ですよね。
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